提案型営業に必要な見落としがちなポイント
2/23(水・祝)に、ポリテクセンター埼玉様の経営支援品質向上研修として、(一社)埼玉県中小企業診断協会の会員である埼玉県の中小企業診断士に向けて、研修を実施しました。
タイトルは「提案型営業実践 〜提案営業支援の勘所を1日で学ぶ〜」で、レクチャーとグループワークを通して、「提案力」を高めるために必要な要素として、以下のテーマについてお伝えしました。
- 営業スタイル
営業スタイルの種類とその特徴、営業スタイルによる商談の設計、商品・サービスの定義 - 顧客の問題発見・解決の支援手法
状況把握の商談術、顧客に問題に気づかせる商談術、顧客に問題を強く認識させる商談術 - 実践的提案のポイント
顧客の問題を解決できる提案内容の作り方、顧客が社内決済を得るための提案の作り方、説得力を高める商談術 - 事例演習
グループワークと講評
この研修では、中小企業診断士が中小企業や小規模企業に提案型営業を導入する際に、押さえていただきたいポイントをお伝えしたものですが、同時に、コンサルタントがクライアントに対して自身のサービスを提案する際の勘所についてもお伝えしました。ここでは、本研修の内容の一部をご紹介したいと思います^^
ありがちな「もったいない」提案の例
商品・サービスを提案する際に最も大切なことは、とにかく「お客様視点」で考えることです。
「そんなの当たり前じゃないか!」「もっと具体的なテクニックを教えろ!」
とお叱りを受けそうですが、これが以外とできていないケースが多いために、良い商品・サービスを持っているのに、全然売上が上がらないというケースが多いのです。
例えば、次の提案を見てください。

「競合A社さんは、発注から納品まで3ヶ月かかるそうですが、当社は1ヶ月でできます!」
もしあなたがこうした提案をしているとしたら、正直もったいない!
提案内容の改善余地があります。
この提案内容はどのように改善できると思いますか?
商品・サービスをお客様視点で提案するための型
ここで考えたいのが、先程お伝えした「お客様視点」で考えるということです。
大事なポイントとしてぜひ押さえてほしいことがあります。
それは、お客様は商品・サービスの特徴には興味がないということです。
お客様は、商品・サービスの特徴ではなくて、商品・サービスが自分に(自社に)どのようなメリットをもたらしてくれるのか、ここが聞きたいのです。
よって、「競合が3ヶ月でできる仕事を当社は1ヶ月」という商品・サービスの特徴ではなくて、「その結果、どんな良いことが起こりそうか」という点を聞きたいのです。
よって、以下のように考えてみてください。
商品・サービスをお客様視点で提案するための型
私の(当社の)商品・サービスには、【商品・サービスの特徴】があります。
その結果、【お客様にもたらされるメリット】をご提供できます。
つまり、2ヶ月早く納品できることで、お客様にとってどのようなメリットがもたらされるかを考えるのです。
例えば、次のような【お客様にもたらされるメリット】が想像できますね。
- 1回当たりの発注量を減らすことができ、不良在庫を減らすことができる
- 1回当たりの発注金額を抑えることができ、資金繰りを改善することができる
- 在庫量が減ることで、商品のリニューアルをタイムリーに行うことができる などなど
提案書作成において大切なのは、【商品・サービスの特徴】を伝えるだけでなく、【お客様にもたらされるメリット】が何なのかということをこちらから提示することです。
また、商談の中で、どのようなメリットがもたらされると思うか、お客様に質問することも有効です。
とにかく大切なことは、「お客様視点」で【お客様にもたらされるメリット】ということを考え続けることです。
マーケティングの世界で言うところの「ベネフィット」というものを考えるということですね!
もし、あなたが優れた商品・サービスを持っているのに、思うように魅力が伝わらないと考えることがあるなら、今回ご紹介した「型」を思い出してみてください^^
